竣工後でも大丈夫!既存建物の床揺れ問題を即日解決!
竣工後の既存建物の床揺れ対策は、大規模で長期間の工事となり困難なものです。ヤクモの超薄型制振装置なら休業日の1日で対策・改善できます。
課題
竣工後の既存建物において床揺れの問題が起きた場合、代表的な対策として、柱や梁部材の増設や補強、TMDなど制振装置の設置が挙げられます。これらの対策は、新築建物に導入することを前提とした技術であり、大きな設置スペースの確保や重量物の運搬・設置が必要となります(図1)。既存建物で対策を行おうとすると、広範囲にわたる天井仕上げ撤去、天井裏の配管設備等の大幅移設、工事期間中のテナント休業など大規模で長期間の工事となり、困難でした。
竣工後の某既存オフィスビルにおいても、歩行時に振動が感じられるとの苦情があり、対策が求められました。
図1.制振装置TMDの設置例
対策
本事例では、超薄型サイズの制振装置フロアメイト(FM)で対策を行いました。高さ44mm、幅400mmなのでOAフロアに収まり、支持脚に干渉しないサイズです。
今回は対象床の有効質量と構造強度を考慮し8台設置しました(図2)。設置はOAフロアの一部を剥がして、置くだけの短時間作業です。制振効果を確実に発揮するための振動数調整作業もその場でできます(図3)(表1)。
図2.平面レイアウトイメージ
図3.FM設置状況(左)と調整作業(右)
表1.FM基本仕様
結果
二人同調歩行を行い、日本建築学会の居住性能評価規準で評価し、制振効果を確認しました。
非制振時にはV-Ⅵレベルで、90%以上の人が振動を感じ、かなり気になり、かなり不快であるという評価でした。制振時では振動が約1/3に低減し、あまり気にならない、あまり不快ではない評価となり、大幅に改善されました(図4)。
「OAフロアの部分撤去、FM設置・調整、効果測定、OAフロア復旧」の一連の作業をオフィスの休業日1日で完了させ、営業に影響を及ばさずに振動環境改善することができました。
図4.FMによる効果 二人共振歩行時の測定結果
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