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施工実績

免震機能付きOA床?! 超薄型免震床~フロアーウテナ~

免震床

フロアーウテナはOA床に免震機能が付いている装置になっています。超薄型で施工が簡単、免震エリアも従来の免震床より広く取れます。自動原点復帰機構を採用しているため、大地震後も頻繫に繰り返される地震などに対応できます。

本事例の課題

阪神淡路大震災や東日本大震災など大きな地震が発生することを想定し、多くの企業がBCP(事業継続計画)対策を講じるようになりました。サーバーなど大切な設備の地震対策として、免震装置を導入することが最も効果的な対策の一つとされています。
本事例では、新築の建物内のサーバー室と指令室に免震床を導入することが検討されていました。仕様に関する要求事項を下記にまとめます。

  1. 大規模な施工範囲に対し、施工期間が短いこと。
  2. 完成後の増減築が可能であること。
  3. 床仕上げ高さを抑えること。
    (データセンター専用の建物ではなく通常のオフィスビルであり、床仕上げ高さに制限があるため。)
  4. 狭い部屋でも、免震床の有効範囲を大きく取れること。
  5. 搭載物の増減による搭載荷重の変化が免震性能に影響しないこと。

 

要求事項を踏まえて、ヤクモから免震付OAフロア、「フロアーウテナ」を提案しました。各要求事項に対する理由を以下に示します。

 

1.フロアーウテナはOA床と一体化となっているため、施工性に優れています。通常のOA床のように支持脚を立て、その上に免震支承を置き、それらを金属フレームで繋ぎ止めます。免震支承の間にCSYパネルを取り付ければ完成です。従来の工法では接着系アンカー、レベルモルタルを使用するため養生期間が必要でした。また免震床組立後、再度仕上げ床(フリーアクセスフロア等)の施工が必要になるなど、複数の要因により施工期間が長くなります。しかしフロアーウテナでは支持脚を接着固定後、一度レベルを調整するだけで本体を組立てられるため、施工期間が短くなります。図1は施工期間の比較の一例となります。

図1 施工期間の比較
図1 施工期間の比較

 

2. ユニット型になっているため、床パネルを交換することで増減築が可能です。本事例においても、施工完了後にサーバー増築の依頼があり、短期間の工事で増築の対応を行ないました。

図2 フロアーウテナ完成図
図2 フロアーウテナ完成図

 

3.フロアーウテナは従来の免震床より、低床化の実現が可能となります。本事例では、免震床仕上げ高さが僅か163㎜となります。

図3 床仕上げ高さ
図3 床仕上げ高さ

 

4.エキスパンションが不要のため、部屋が小さくても免震床の範囲が大きく取れます。

図4 免震床比較
図4 免震床範囲の比較(画像をクリックすると拡大します)

 

5.フロアーウテナは、減衰機構としてFRD(フリクション・ローラー・ダンパー)を採用しています。FRDは積載荷重に応じて減衰量が適切に変化するため、搭載荷重が変動しても安定した免震性能を発揮します。
さらに、傾斜レールによる自動原点復帰機能を備えているので、大地震後も頻繁に繰り返される地震にも対応できます。

 

本事例における特殊設計

フロアーウテナは、図2に示すように、免震部の周辺と固定部に段差が生じますが、お客様から一部エリアの段差をなくしたいという要望がありました。
 免震部の可動範囲を確保しながら段差をなくすために、エキスパンションを取り付けることで図5のような段差のないフロアーウテナを完成させました。

図5 エキスパンション付きフロアーウテナ
図5 エキスパンション付きフロアーウテナ

 

フロアーウテナ免震効果

フロアーウテナの免震効果を確認するために、振動試験台で性能実験を実施しました。下図は兵庫県南部地震時で観測された南北方向の地震波を入力したときの試験結果です。結果を見ると、フロアーウテナ床上の加速度が1/4以下に軽減されることが確認できます。

図6 フロアーウテナの免震効果
図6 フロアーウテナの免震効果

予期せぬ大地震に備え、大切なデータやものを守るため、今日もフロアーウテナは静かに活躍しています。

 

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