違うフロアのフィットネスやタテノリで振動問題が発生?
制振装置
フィットネスなど多人数運動により発生する床揺れの振動対策事例です。ヤクモのAMDは、複数台同時制御可能で大出力を実現!多人数運動の振動に実績があります。さらにリニアモータ搭載で作動音も小さく、劇場の客席(床下など)でも運用可能です。
課題
某劇場は、複数フロアにわたりホールや多目的スタジオがレイアウトされ、演劇、ミュージカル、ダンス等の舞台芸術作品が上演される施設です。
ある時、演劇を上演中に客席で揺れを感じるという問題が発生しました(地震?と感じていている観客の方もいたようです)。揺れの発生源は、下階スタジオの別演目で実施していた複数人のダンスでした。
この建物は、ロングスパン構造で床部の固有振動数が約5Hzと低いため、ダンスなどの運動で共振が生じやすく、振動の伝わりやすい状態となっていたことが原因でした。一般的に多人数が一定のリズムに合わせて上下運動する時、そのリズムが床など構造体の固有振動数とマッチすると、共振現象が起こり想像以上の揺れが発生することが知られています。本件でもこのような共振現象が生じやすい条件になっていたと考えられます。
対策にあたってポイントは・・・
- 竣工後の対策であったので、構造の設計変更等は出来ない→TMD、AMDなどの制振デバイスでの対策→設置箇所は客席床下スペース。
- 多人数運動の加振力に対抗するには→それ相応の出力が必要。
- 劇場内の静寂性は確保すること。AMDの作動音が観劇に影響してはならない。騒音値の設計クライテリアはNC-25でした(NC-25とは録音スタジオ並みの静けさが要求されるスペックです)。
対策
多人数運動による大きな加振力に対応する必要が想定されたため、4台同時制御可能のAMDシステムを設計しました。また、リニアモータ駆動の1tタイプAMD(YAMD-1000)を選定、オプションで防音カバーを施工することで、作動音について配慮しました。弊社は防音に関しても長年培ったノウハウがあります。
結果
AMD設置工事後、実際に複数人(6人)で加振実験を行いました。共振が起きるようなテンポで同時ジャンプを行い、AMDをon/offし客席部の振動測定を行ったところ、客席部で10dB程度低減されており、体に感じる揺れも大幅に軽減されていることが確認できました。また、客席に座っていると作動音はほぼ感じられず、スタジオ内の騒音クライテリア(NC-25)をクリアしました。
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