鉄道路線近傍オフィスの床振動問題を短期間で後から対策!
軌道新設によって発生した鉄道走行振動でオフィスの執務環境が悪化。超薄型制振装置フロアメイトを採用することで、OA床下の設置&休業日中の短期間施工が可能となり、大規模工事不要の後から対策ができました。
課題
鉄道軌道に近接した建物では、鉄道から発生した振動が地盤から建物の柱・梁に伝わり、床揺れが発生することがあります。
鉄道軌道近くのA社オフィスは鉄骨造5階建てで、これまで体感振動の被害はありませんでした。ところが、新設軌道ができてから鉄道が通るたびに床揺れが大きくなり、執務環境の悪化が問題となりました。
図1.建物イメージ
図2.該当居室概要図
鉄道通過時の床振動を測定したところ、10Hz近傍で床が共振増幅されていることがわかりました。日本建築学会の居住性能評価指針で評価すると、V-90(知覚確立で90%)とV-70(知覚確立70%)の間に位置しており、ほとんどの人が揺れを感じるひょうかとなりまりした。
対策にあたっては、
-
・既設建物なので大規模工事ができない
-
・営業に影響を及ばさないように短期間で作業を終える
以上の点を踏まえ、短工期・省スペースで既存建物の後から振動対策が可能な超薄型制振装置フロアメイト(以下FM)を採用することにしました。
図3.未対策時の振動加速度測定結果
対策
該当居室の床仕上げは懐50mmのOA床であったため、厚さ44mmのFMをOA床下に設置することができます。今回は対象床の有効質量の4%にあたる10台を設置しました。
図4.フロアメイト設置状況
図5.フロアメイト設置箇所
結果
FM設置後、鉄道通過時の床振動を制振機能OFF時5本、ON時6本測定し、それぞれの平均値で評価をしました。
制振機能OFF時ではV-70を超えていましたが、ON時はV-70を下回るレベルまで低減しました。
また、「OAフロアの部分撤去、FM設置・調整、効果測定、OAフロア復旧」の一連の作業をオフィスの休業日1日で完了させ、営業に影響を及ばさずに振動環境改善することができました。
図6.フロアメイトによる効果 鉄道通過時の床加速度
関連ページ